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2014年1月23日木曜日

Francis法王を想起させる新たなOSX/Crisisの亜種

Hacking Teamの有名なDa Vinciルートキット、OSX/Crisisの新たなサンプルが、この週末中に弊社のマルウェア研究所にも届きました。現時点では、 VirusTotal上でのファイル名「Frantisek」について情報がありませんが、これ は東欧でFrancisを意味する名前です。Francis法王のことでしょうか?

以前の 亜種同様、このOSX/Crisis.Cも、パスワード不要でユーザ に気付かれずにインストールを行うドロッパーを使用し、Mac OS X 10.5、 10.6、および10.7で動作します。ただし、Hacking Teamによってドロッパーの コードおよびバックドアの構成ファイル形式はアップデートされています。

ドロッパーは、一般的でない__INITSTUBセグメントを実行します。オリジナルの エントリポイントEIPは、プログラム内のほぼ空である_main関数に到達する前に このコードセグメントを指しています。そのため、デバッガを使っている研究者 が注意していないと、気づかない内に感染する可能性があります。システムシン ボルの解決に異なる方法を用いていますので、OS X Mountain LionあるいはOS X Mavericksをクラッシュさせます(segmentation fault)。これは、マルウェア 内の64-bitバグによるものと思われます。

下図は、ドロッパーの解決されたシンボルハッシュの画面です。IDA:
OSX/Crisis.C - screenshot of the resolved symbols hash of the dropper in IDA

ドロッパーが正常に実行されると、ユーザのホームディレクトリ(ライブラリ /Preferencesフォルダ内)のOvzD7xFr.appという偽のアプリケーションバンドル 内に次のファイルを隠します:

その後、バックドアを起動し、LaunchAgentファイルcom.apple.mdworker.plistを作成してインストールを終了 します。

前出のOSX/Crisis.B同様に、このバイナリはMPressパッカーを 使って難読化されています。また、現在では64-bit専用となっているAppleのシ ステムプロファイラのプライベートフレームワーク、SPSupportにリンクされて いるためOS X 10.9では動作しません。「Image not found」例外が起きてクラッ シュします。さらに、対応する標的上で、バックドアは自らのファイルをアンイ ンストールしてから終了します。これは破損した構成ファイルに関連していると 考えられます(サンプルでは、NULLバイトから始まっています)。

いくつかの新しい技術を除くと、バックドアコンポーネントが実行する機能は、 以前の亜種と同様です: アクティビティモニタアプリケーションをパッチして自 らを隠し、スクリーンショットを撮影し、オーディオとビデオをキャプチャし、 ユーザの位置情報を取得し、WiFiホットスポットに接続し、収集したデータを指 令管制サーバと同期させ、ソーシャルエンジニア技術を使ってユーザを騙してシ ステム管理者権限を奪取して、ルートキットをインストールします。

この記事執筆時点で、VirusTotalでの総合検出率は低いです。

IntegoのVirusBarrierは、最新のマルウェア定義ファイルでこのマ ルウェアをOSX/Crisis.Cとして検出し、ユーザを守ります。

Posted on January 20th, 2014 by

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